巫女と王子と精霊の本
《白の結末》
マヌラ族の少女の歌声で竜を眠らせ、その間に王子は砦の魔女を倒しました。呪縛から解き放たれた竜達は竜王と共にアルサティアの森で人間と共に生きる道を選びました。
「…良かった…」
魔女とわかりあえなかったのは悲しいけど…
守らなきゃいけなかった。
その為の犠牲ってしかたないものなの?
「……………………………」
『鈴奈?どうかした?』
フェルは心配そうに私を見つめている。
「フェル…どうして争いを無くせないんだろう。誰かを犠牲にしないと守りたいものも守れないのかな?」
『…そうだね、君のいた世界は平和だった。でも、昔は戦争をしていたよね。その上にある平和だ』
争いの果てに手に入れた平和………
「でも、悲しすぎるよ…」
『きっと君の世界の偉人達もそう思ったから争いの無い世界が出来たんじゃないかな?』
「どういう事?」
『つまり、君がこの世界を見て争いを止めたいと思う気持ちに便乗する人間達が増えれば世界は変えられるっていいたいんだ』
そうか……
私の世界のように争いを終わらせたい、そう願った人達がいればこの世界も変えられるかもしれない。
「そうだね!私、頑張ってみるよ!」
『うん!この世界を頼んだよ!』
フェルのおかげで元気が出てきた!
迷ってたのが嘘みたい!