巫女と王子と精霊の本



ただ、その反面。
アルサティアの世界に自分がいない事に孤独を感じた。


アルサティアの世界で生きていけたら良かったのに…
私は自分のいる今の世界で一人ぼっち。


辛かった…
本にも埋められない孤独が私を飲み込んでいくようで怖かった。



「どうして……」



本の世界でなら幸せになれるの?



私はどうしてこの世界の登場人物にはなれないんだろう。

何度も自分に問いかけた。



私もお姫様だったら良かったのに。
そうしたら王子様は私を迎えに来てくれるでしょ?



魔王に捕らわれて恐怖の中、孤独だったとしても、いつかくる幸せに希望を持てた。





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