巫女と王子と精霊の本



「ラミュルナ王女、だから絶望しないで。何も信じられないなら、私を信じて」


出会ったばかりで信じてなんて無理な話だけど…
幸せになれる人が悲しむのはもったないもんね。


「何故でしょう、出会ったばかりだというのにあなたなら信じることが出来そうです」


ラミュルナ王女は笑顔を浮かべて私を見つめる。


「ラミュルナ王女…ありがとう」


そう返事をした瞬間、眩しい光が私のすぐ後ろで瞬く。


「…ラミュルナ王女!!」

「っ…鈴奈!?」



光が私をのみ込んでいく。


「必ず!!必ず。あなたを探すから!!」


光の向こうにいるラミュルナ王女に声をかける。


「っ…鈴奈!」



声が遠くから聞こえた。


ラミュルナ王女…
必ず迎えに行くから……















< 209 / 300 >

この作品をシェア

pagetop