巫女と王子と精霊の本




「皆、聞いてくれ。竜は我等人と共に生きるため、共に戦うと言った!!」


エルシスの力強い言葉に皆がみいられる。


「隔たりを捨てろ!俺達はなんの為に戦うのかを思い出せ!!」



そうだ……
私達は生きるために、未来をかちとる為に戦うんだ。



「私達は、皆で生きる未来を手にするために…」


私は手を挙げる。
誓い、そんな意味をこめたつもりだ。



「あぁ、俺達は共に生きぬく!竜も人も、心があり、愛するものがあるからこそ生きたいと願う。俺達は同じなんだ」




種族なんて関係ない。
私達は同じ、この世界に生まれた生き物なんだから…




「手を取り合え!必ず幸せな未来をかちとるんだ!!」



その、言葉に拍手がぽつりぽつりと沸き上がる。

そして……



「我等は生きるために!!」

「未来のために!!」

「愛するもののために!!」



歓声が沸き上がる。


竜達が叫ぶ。



竜と人が、手を取り合った瞬間だった。




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