巫女と王子と精霊の本
―ある国に、どんな傷も癒す姫がいました。姫は、その力のせいで、魔王ガイアの花嫁にとさらわれてしまいます。
魔王の住む城へ乗り込み、王子は魔王と勇敢に戦います。
しかし、魔王ガイヤは長きに渡る眠りにより力を蓄えていたため、王子の刃は魔王には届かず、魔王の爪に引き裂かれ、命をおとしてしまいました。
「……っ!!」
そんな………
またあの人を殺すというの?
もう沢山苦しんだ…
もう十分でしょう?
どうして…………
「どうして……」
膝から崩れ落ちるようにして地面に手をつく。
そのまま本を見つめた。
どれだけ見つめたって未来は変わらない。
自分の手を見つめる。
「私に守れるかな……」
私なんかに……
守ると決めた。
エルシスの未来を守るって…
気持ちは変わらない。
ただ……怖い。
守れなかったら……