巫女と王子と精霊の本


『お前は本当にそれを望んでいるのか?』

「!!」


もう一人の私………


『アレがお前以外の女を愛することなく、お前だけを愛し死ねば永遠の愛を手に入れることができるぞ』



「馬鹿言わないで。あの人を死なせたくない!」



私はその為に!!


『お前は巫女などではない。ただの女子高生だ。何もできない』


「私は、アルサティアの巫女だよ!!」

『お前は登場人物にはなれない』

「私はっ…私…は………」


否定出来ない。
そうだ、私は登場人物にはなれない。



私でなくたって良かった。
この世界の巫女は、本さえあれば誰だって良かった。



「………………………」

『鈴奈、俺と共に世界を壊そう。もうお前が、悲しまないように』


もう私が…悲しまないように……?


『お前を理解できるのは俺だけだ』


そうなのかもしれない。
だってあなたは…私だから……














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