巫女と王子と精霊の本
巫女と王子と精霊の本
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「う………ん…………」
眩しい光で目を覚ます。
目開けると、見知らぬ天井が目の前に広がっていた。
「…………ここ……は………?」
ゆっくりと起き上がると、ギシッと何かがきしむ音がする。
それで初めて、自分がベットに寝ていた事に気づいた。
「一体どうなって………」
起き上がり、部屋を見渡すと、知らない制服が壁にかかっている。
「……ここは……どこ……?」
私は確か………アルサティアにいたはず。
そして、鈴君と一緒に世界から消えたはずだった。
なのに………
「鈴奈?入るわよ」
―ガチャッ
声が聞こえたと思ったら、突然扉が開く。
「あなた、学校でしょ?間に合わなくなるわよ」
「お、お母さん………?」
普段なら私を起こすことなく家を出てしまうお母さんが私を起こしに来る。
なにが、どうなってるんだろう………?
「お母さん、仕事は?」
「何寝ぼけてんのよ。引っ越してから仕事は退職したって言ったじゃない。上司とバトったのよ、忘れた?」
あ、私もう引越したんだ…………
だから知らない制服があったんだ。
確か、私がいない間はフェルがなんとかしてくれてたんだよね。
でも、突然この世界に戻ってきちゃって、私はどうすれば………