巫女と王子と精霊の本
かけがえの無い存在
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「…はぁ……」
ある日の昼頃、私は本を開き、ため息をついた。
目の前に綴られた物語は、私の変えた白の結末に変わっている。
―嵐の所までは…。
その後が問題なんだ。
その続きが何故か白紙になっている。
何度本に願っても、何も起きなかった。
「どうして………」
嵐の時はちゃんと文があった。次に何が起こるか分かっていたはずなのに…。
これじゃあ次に何が起こるかわからないよ…。
「確か、私の知る物語なら疫病が流行るんだよね」
でも、それが黒の結末でどう変わっているのかは分からない。
とりあえず、今は疫病に気をつけなきゃ。
何か異変は無いか、エルシスに聞いてみよう。
私は本を手に、エルシスの私室へと向かった。