巫女と王子と精霊の本

かけがえの無い存在


――――――――――
――――――――
――――――


「…はぁ……」


ある日の昼頃、私は本を開き、ため息をついた。
目の前に綴られた物語は、私の変えた白の結末に変わっている。


―嵐の所までは…。


その後が問題なんだ。
その続きが何故か白紙になっている。


何度本に願っても、何も起きなかった。


「どうして………」


嵐の時はちゃんと文があった。次に何が起こるか分かっていたはずなのに…。


これじゃあ次に何が起こるかわからないよ…。


「確か、私の知る物語なら疫病が流行るんだよね」


でも、それが黒の結末でどう変わっているのかは分からない。


とりあえず、今は疫病に気をつけなきゃ。
何か異変は無いか、エルシスに聞いてみよう。


私は本を手に、エルシスの私室へと向かった。









< 34 / 300 >

この作品をシェア

pagetop