巫女と王子と精霊の本
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「第一隊は残りをカインへ運んでくれ。第二隊はマニルの第四地区へ!!」
泉の水をエルシスが的確に国中へと配っていく。
この二、三日でみるみると病人が減った。
私は水を馬に積み終わったおかげで静になった泉に近づき腰を下ろした。
「…大丈夫…だよね…?」
私は深呼吸をして本を開いた。
―嵐はさらなる災厄を生みます。
マニル国を訪れていたエルシス王子は、民が疫病に苦しんでいるのを知り、自ら民を看病していました。
「ここまでは変わる前の物語…」
この後は………
《白の結末》
―疫病にかかったエルシス王子は、魔法の泉の水によって命をとりとめます。
完治したエルシス王子は、
自らも民に泉の水をくばり、多くの民を救いました。