巫女と王子と精霊の本
先程の男性と別れ、私は制服のまま走る。
マニル国まではそんなに遠くないって言ってたけど…。
「一体いつ着くの!?」
森の中を走りながら空を見上げる。
「嘘っ!!」
空には雨雲が立ち込めていた。風も少し強くなってきている。
大丈夫かな……。
私なんかに変えられるの?不安だよ…。
不安で本をギュッと抱きしめる。
この本だけが、頼りなんだ。
フェルの言う通り、私にしか変えられないなら、私がやらなきゃ!!
気持ちを奮い立たせて、走るスピードを速めた。