-Lost Japan-失われし愛国
──…同時刻「新宿第4エリア・原子発電施設区域内」
「はあ…はあ…。」
発電所の外壁に身を預けて、呼吸を整えながら手汗の滲むハンドマグナムに弾を装填する。
金色の髪を揺らす少女の片手には封筒に包まれた書類が抱かれ、鋭い瞳は気配を敏感に探り、警戒心を剥き出しにして追って来る敵がこちらを見失う事を祈り、息を押し殺した。
壁の向こう側から足音が響き、手が更に汗ばみ額からも緊張からか汗が滲む。
足音は次第にこちらに近付き、少女は近くにあったドラム缶の陰にしゃがみ込んだ。
「畜生!何処に隠れたんだ。あの設計図を日本の奴等に渡す訳にはいかないぞ。」
「あの女、日本の味方をする気なのか?」
辺りを見回し、少女の姿が見当たらない事に舌打ちをしながら、日本人ではない兵士二人が言葉を交わす。
高まる焦りの感情に会話をする事により微かに生じる隙を、少女は見逃さなかった。
意を決して立ち上がると同時に銃口を一人の男性に向けて、引き金をゆっくりと引いた。
「!貴、様…──。」
高々と鳴り響く銃声と共に銃弾が男性の眉間を貫き、黒ずんだコンクリートの道に赤々とした鮮血が飛び散り、焦点を失った瞳は次第に白目を剥いて糸の切れた操り人形の様に地面に崩れ落ちた。
「はあ…はあ…。」
発電所の外壁に身を預けて、呼吸を整えながら手汗の滲むハンドマグナムに弾を装填する。
金色の髪を揺らす少女の片手には封筒に包まれた書類が抱かれ、鋭い瞳は気配を敏感に探り、警戒心を剥き出しにして追って来る敵がこちらを見失う事を祈り、息を押し殺した。
壁の向こう側から足音が響き、手が更に汗ばみ額からも緊張からか汗が滲む。
足音は次第にこちらに近付き、少女は近くにあったドラム缶の陰にしゃがみ込んだ。
「畜生!何処に隠れたんだ。あの設計図を日本の奴等に渡す訳にはいかないぞ。」
「あの女、日本の味方をする気なのか?」
辺りを見回し、少女の姿が見当たらない事に舌打ちをしながら、日本人ではない兵士二人が言葉を交わす。
高まる焦りの感情に会話をする事により微かに生じる隙を、少女は見逃さなかった。
意を決して立ち上がると同時に銃口を一人の男性に向けて、引き金をゆっくりと引いた。
「!貴、様…──。」
高々と鳴り響く銃声と共に銃弾が男性の眉間を貫き、黒ずんだコンクリートの道に赤々とした鮮血が飛び散り、焦点を失った瞳は次第に白目を剥いて糸の切れた操り人形の様に地面に崩れ落ちた。