-Lost Japan-失われし愛国
三節─出逢い─
「蓮、見付かった?」
「いや。」
「なあ、見付かったか?」
「まだだ。」
「おーい、見付かった?」
「……。」
潜入を開始して僅か五分という短い時間で、何度このやり取りを繰り返しただろう。
晃は強行突破などには欠かせない人材だが、何処の任務でも暇な時間が嫌いらしく、自分の出番をまだかまだかと問い掛け続ける。
それは今に始まった事ではない為か、蓮哉も軽く受け流していた。
「っ…、蓮!」
「まだ見付かってない。」
「違うっての。発電施設の方から銃声が聞こえて来たんだ。行こうぜ!」
「銃声?手掛りはないんだ。行くしかない。」
晃の鼓膜に蓮哉には聞こえなかった銃声が確かに鼓膜を震わせて響き、片手に片手銃を握り締めて言葉を紡ぐ。
どんなに有能な人間ですら、会得する事の不可能な生まれつきの身体的能力の一つ、他者よりも格段に高い聴覚を晃は気付かない内に自らのモノにし、知らぬ間に重要な能力としてレジスタンス内でも扱われていた。
手掛りのない状況下な為、核心はなくとも今ある可能性の中で一番信頼出来そうな選択肢に蓮哉は晃を見て頷けば、発電施設区域にと向かった。
「いや。」
「なあ、見付かったか?」
「まだだ。」
「おーい、見付かった?」
「……。」
潜入を開始して僅か五分という短い時間で、何度このやり取りを繰り返しただろう。
晃は強行突破などには欠かせない人材だが、何処の任務でも暇な時間が嫌いらしく、自分の出番をまだかまだかと問い掛け続ける。
それは今に始まった事ではない為か、蓮哉も軽く受け流していた。
「っ…、蓮!」
「まだ見付かってない。」
「違うっての。発電施設の方から銃声が聞こえて来たんだ。行こうぜ!」
「銃声?手掛りはないんだ。行くしかない。」
晃の鼓膜に蓮哉には聞こえなかった銃声が確かに鼓膜を震わせて響き、片手に片手銃を握り締めて言葉を紡ぐ。
どんなに有能な人間ですら、会得する事の不可能な生まれつきの身体的能力の一つ、他者よりも格段に高い聴覚を晃は気付かない内に自らのモノにし、知らぬ間に重要な能力としてレジスタンス内でも扱われていた。
手掛りのない状況下な為、核心はなくとも今ある可能性の中で一番信頼出来そうな選択肢に蓮哉は晃を見て頷けば、発電施設区域にと向かった。