-Lost Japan-失われし愛国
「さぁーて、どう攻めっかな。」


晃は片手銃を構えた状態で、耳に神経を集中させて監視官達の動きに探りを入れた。

微かに革靴が地面を擦る音が聞こえる。

あと一秒。


──…今だ!


タイミングを見極めて勢い良く立ち上がれば、視界に監視官の一人が銃を構えており、立ち上がると同時に監視官は発砲し、鉄筋に銃弾が埋め込まれた。


「な…!」


「まずは一人。」


監視官の瞳は大きく見開かれ、既に発砲後の為に今から標準を変えるのは間に合う訳もなく、晃は監視官に駆け寄りながら頭部を撃ち抜く。
まだ隠れていた監視官の横を撃ち抜かれた監視官が後方にゆっくりと倒れて、神経を切ったか深紅の鮮血が噴水の様に頭部から溢れ出した。


「…貴様!」


隠れていた監視官は腰の収納部からナイフを取り出せば、接近してくる晃に勢い良く突き出す。
晃は二丁の片手銃の片方でナイフから身を守り、発砲はせずに肋骨に拳を叩き込んだ。骨が鈍い音を立てて折れ、監視官の呼吸が乱れて息を吸い込む事すら困難になり、地面に両膝をついた。


「教えろ、お前等は設計図を探し出して何をするつもりだ?」


「…う、あ…。」


「早く答えろ。こっちも相棒待たせてるから、時間食いたくねえんだ。」


胸部への強い衝撃に呼吸困難に陥っている監視官の胸倉を掴み、晃は監視官を睨み付けた。
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