-Lost Japan-失われし愛国
廊下は終わりを迎えて、外への扉がある受付のホールにアリッサは辿り着いた。
此所から出れば、自分の居場所があるかも知れないとアリッサは扉のノブを握り締めて、静かに息を吐き出す。
「おい、嬢ちゃん。本部の人間か?」
「…!」
不意に後ろから紡がれた言葉にアリッサは驚き、体が覚えているのか太股に仕込んでいた隠してある拳銃を引き抜いて、振り向き様に素早く構えた。
その咄嗟の行動に一番驚いているのはアリッサ自身であり、自分でも何故拳銃を向けたのかすら分からずに、手は自然と震えを生む。
視界の先では倉橋が鋭い視線でアリッサを睨み付け、片手に持っていた拳銃の銃口をアリッサに向けていた。
口に咥えた煙草の白煙が空調装置から放たれる風になびく。
「お前、一体何者だ?その銃…レジスタンス内で輸入してる代物じゃねえ。…密告者(スパイ)か?捜査員か?どちらにしても、撃つ事にゃ変わらねえが。」
「…。」
「喋らない気か?手を震わせてちゃ、俺は殺れねえよ。」
引き金を引く指の力を強めて倉橋は首を傾げる。
アリッサが喋れないのを知る筈もなく、照準を眉間に定める倉橋にアリッサは混乱しているのか動けずに瞳を見開いた。
「待ってくれ!倉橋さん!」
──パリンッ!
倉橋の射撃を阻止しようとした手が倉橋の手を押した瞬間に銃弾が放たれ、アリッサの右頬に当たるギリギリの位置を通過し防弾硝子に銃弾がめり込んだ。
此所から出れば、自分の居場所があるかも知れないとアリッサは扉のノブを握り締めて、静かに息を吐き出す。
「おい、嬢ちゃん。本部の人間か?」
「…!」
不意に後ろから紡がれた言葉にアリッサは驚き、体が覚えているのか太股に仕込んでいた隠してある拳銃を引き抜いて、振り向き様に素早く構えた。
その咄嗟の行動に一番驚いているのはアリッサ自身であり、自分でも何故拳銃を向けたのかすら分からずに、手は自然と震えを生む。
視界の先では倉橋が鋭い視線でアリッサを睨み付け、片手に持っていた拳銃の銃口をアリッサに向けていた。
口に咥えた煙草の白煙が空調装置から放たれる風になびく。
「お前、一体何者だ?その銃…レジスタンス内で輸入してる代物じゃねえ。…密告者(スパイ)か?捜査員か?どちらにしても、撃つ事にゃ変わらねえが。」
「…。」
「喋らない気か?手を震わせてちゃ、俺は殺れねえよ。」
引き金を引く指の力を強めて倉橋は首を傾げる。
アリッサが喋れないのを知る筈もなく、照準を眉間に定める倉橋にアリッサは混乱しているのか動けずに瞳を見開いた。
「待ってくれ!倉橋さん!」
──パリンッ!
倉橋の射撃を阻止しようとした手が倉橋の手を押した瞬間に銃弾が放たれ、アリッサの右頬に当たるギリギリの位置を通過し防弾硝子に銃弾がめり込んだ。