-Lost Japan-失われし愛国
「っ…くうう…!ふうー、はあー…。お前さんもお年頃だろう?真面目に勤務してばっかじゃ気も抜けねえーし、女を抱きゃー良いさ。毎日違う女と出来るなんて、良い気分になれるぞ?」


事を済ませて満足気に葉巻を咥えたWは口元に怪しげな笑みを浮かべて、ベットの上で息を荒く吐きながら悔しさからか涙を流す女性を横目に見る。


「いえ、遠慮しときますよ。その趣味は理解が出来ないので。」


「つまらん奴だなぁ。こんな魅力的な趣味は中々ないからな。まあ、安心しろ指揮官様。このWに挑もう等という馬鹿はいないからな。」


自信を込めて放った言葉は確かに嘘ではない。
根本的に俺が一番だという性格が反映しているのか、民からの金や食物を搾り取った上に中国でも有数の美しい女性を既婚者であろうと奪い去り、今の様な行為を強要する。
独裁政権に相応しい有様だが、逆らえば死の恐怖から挑もうとする人間が少ない代わりに溜まっている恨みも半端なモノではないのは明白であり、それを警戒して忠告した事をWは理解してはいなかった。
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