-Lost Japan-失われし愛国
Wの顔色を伺いながら自分の誤った点が分からずに再び言葉を紡ぐ男性に熱く湯気の上がるスープが鍋のまま浴びせられ、いきなり事に先程の痛みすら忘れてしまう程の事に悲鳴を上げて床を幾度も転がり、顔を手で覆った。


「美味いか?奴隷の身分で贅沢な奴め、体に浴びるなんてよう…。で、最後の質問だ。思い出したか?」


「み、水を…熱、い。焼けでじばいまず…っ。」


「俺様の発言を無視するとは、これは国に背くも同じ。…コイツを今から公開処刑しろ。今すぐにだ。このWの命だぞ。」


自らの言葉は熱さに苦しむ男性の耳には届かずに、元より不機嫌だったからか怒りは最高潮に達して男性の腹部を蹴り上げてから、部下に向かい怒鳴り声を這わせた。
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