-Lost Japan-失われし愛国
過ちは数週間後に強い後悔として、俺に降り注いだ。


──…反乱軍が奇襲を受けて全滅した。


反乱軍に参加した百名を越える人々が作戦開始を目前に日本政府の奇襲により、抵抗の甲斐なく命を落とした。
敗戦国として絶望の底にいた民にとって、この悲報は民を更に絶望に落とす事になる。
無論、反乱軍の長であった最愛の夫の死に母は泣き崩れた。


「親父…っ…!」


目茶苦茶にされた隠れ家から発見された父の遺体は、最期まで抵抗したのか傷が多く、死して尚も握り締められた銃は、その時の光景を物語っていた。


この世界に神なんていない。


それが分かったのは、多分この時からだろう。
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