-Lost Japan-失われし愛国
「──…これが、作戦概要で、決行は今日より一ヵ月後。爆薬が調達出来てから二日間の間だ。拠点に関しては…。」
「拠点などは良い!今は向かって来る奴を潰すのが、面白いからな。まあ、上出来だ。約束通り、例の人間の安全は約束してやろう。」
「…ああ。じゃあ…──。」
通話が切れたのを確認するとWは受話器を置いて、抑え切れない笑みが口元にニンマリと零れる。
ウェン達の知らない場所で、人と人の関係がある限り付き纏う、裏切りという影が悲劇を繰り返そうと動き始めていた。
「くく…、所詮は支配する者とされる者しか居らんのだ。支配される者は、生涯その運命から逃れる事は出来んさ。」
豪勢に盛られた果物の中から、林檎を一つ掴んではナイフを深く突き刺し、内部より滲み出した果汁を舌先で舐め取った。
──…ウェンの言葉を軍の人間に伝えた後、ヨウレイは単身である人物を訪ねに荷物を背負って、監視員の目を掻い潜り、人物の元に向かっていた。
「拠点などは良い!今は向かって来る奴を潰すのが、面白いからな。まあ、上出来だ。約束通り、例の人間の安全は約束してやろう。」
「…ああ。じゃあ…──。」
通話が切れたのを確認するとWは受話器を置いて、抑え切れない笑みが口元にニンマリと零れる。
ウェン達の知らない場所で、人と人の関係がある限り付き纏う、裏切りという影が悲劇を繰り返そうと動き始めていた。
「くく…、所詮は支配する者とされる者しか居らんのだ。支配される者は、生涯その運命から逃れる事は出来んさ。」
豪勢に盛られた果物の中から、林檎を一つ掴んではナイフを深く突き刺し、内部より滲み出した果汁を舌先で舐め取った。
──…ウェンの言葉を軍の人間に伝えた後、ヨウレイは単身である人物を訪ねに荷物を背負って、監視員の目を掻い潜り、人物の元に向かっていた。