ありがとう
はずだった。




飛び降りたとき誰かに手をつかまれたんだ。






 誰?

せっかく楽になれると思ったのに




「いいのか?
本当に死んでも

死んだら、逃げたってみんなにバカにされるぞ」




手をつかんだのは、さっき私に


「逃げんのか?
強いと思ってたけど

どうせお前もだたの弱虫なだけなんだな」


 って、言った人だった。





「死んでも、誰も悲しまねぇし

喜ばれるだけだ


 何も良い事なんてないし


でも、生きてたら


 少しでも、長く生きてたら
  いいことあるかもしれねえのにさ」
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