最愛。
じーっとと顔を見てみると…睨んでる?!

怒ってるのかな?

ってか、めちゃめちゃ見られてる気がするし…

あーだこーだと考えていたら、もう目の前に━━━━…

っっっっっっっっえ?

斜め後ろの席に座ったその子。

あいかわらずで顔は怖い。

はぁーっと、ため息をつきながら椅子に座ったその子は、

よく見ると顔がすごく綺麗だった。

くっきり二重のその目は長く上を向いたまつげによって、さらに大きく見える。

鼻は高くスッと伸びていて、口は綺麗なピンク色で薄い唇だった。

眉も綺麗に整えてあり、ナチュラルなメイクでもっと美しく見える。

これは、あたしが男だったら完全に惚れてるわー。

「………はぁ?」

━━━━━━━…

「え゛っ?!」

もっ、もしかして━━━━…

「あのー、あたし今何か言いました?!」

「結構、声大きかったですよー。」

棒読みでさらに機嫌が悪くなったかのような目で言われた。

顔だけを向けていたはずのあたしだったけど、今は堂々と後ろ向き。

くるーっと前を向き直す━━━━…

ガシッ!!

あたしの行動は、一つの手によって止められた。

「あの~。」

恐る恐る、震えた声で言うあたしとは真逆に満面の笑みであたしの肩をつかむその人。

その満面の笑みの裏にはとても恐そうな裏の顔がありそうだった。

だけど、その予想は見事にはずれ、その子は言った。
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