最愛。
「このクラス、女子はあなたと志織の二人だけでしょ?

さすがの志織も、女の子の友だち一人もいずに一年間このクラスでやってくなんて絶対ヤだし。

だから、仲良くしようよ。」

本音なのかはわからない。

だけど、あたしだって友だちの一人もいないのは絶対嫌だ。

それに、人を見た目で判断するのはよくない。

まだ性格の欠片もわかっていないのだから、仲良くしてみるぐらいいいと思う。

よしっ。

「こちらこそ、よろしく。

あたしの名前は宮間 歩月(みやま ふづき)

第二中学校から来たんだけど、同じ学校の子はいないの。」

「歩月ねぇ~。

志織の名字は和田。

和田 志織(わだ しおり)って言うの。

ちなみに第五中学校なんだー。」

志織は中学校のときから男子とはよく遊ぶ人らしく、五中出身の人(男子)は多いらしい。

身長は163cmと、高めのくせして体重はなんと、44kgという、なんともスリムな体型。

のわりには、胸だってちゃんとあるし。

羨ましい体型だ。

あたしなんて、あたしなんて……

なんだか、テンションが低くなってきたわいな。

入学式の途中にもかかわらず、落ち込むあたしは、

まわりからすればきっと変な人だ。

こうして入学式と、志織との出会いは終わった━━━━━━…
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