最愛。
教室へ行くのは、なんだかあまりノリ気じゃない。

行ったってどうせ、志織以外はみんな男の子だけだし…

あまり得意ではない男の子たちとは仲良くできない気がする。

こんな男の子ばかりの学校。

これからさき楽しくなるのかなぁ…

不安な気持ちでいっぱいのまま、今日は終わった。




*次の日*

「そういえば、この学校にすっごいかっこいい人がいてね、

三人いるんだけど、そのうちの一人が志織らと同じクラスなんだって!

すごくない?!」

キャーキャー言ってる志織は女子高生!って感じがよくする。

そんな情報、どこから聞き出したのか不思議だ。

「志織、今年中にはかっこいい彼氏ほしいんだぁ♪」

「志織にだったらできるでしょ!

そんなに可愛くて、スタイルもいいんだから!」

「そんなこと言ったら、歩月の方がいいじゃん。

ちっこくて細くって、えくぼだってあるし、髪も長いしさー。」

「ちっこいのは、誉められてる気しないからっ!!」

実は、背が低いあたしにとってそれはコンプレックスの一つだった。

みんなに見下ろされちゃうから。

志織とあたしの二人で、廊下でじゃれていたら、

「歩月か?」

肩に誰かの手が置かれたと同時に、聞こえた声。

歩月って言ったし、誰だろう…

そんな疑問と共に声が聞こえた方へ振り向く。

「………。」
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