あの日の君へ
「関係ない」と言い張り、目を逸らす私。
すると男は「はぁ……」とため息をつくと急に声色を優しくして話しかけてきた。
「おい…さっきは悪かったな、いきなり投げたりして。俺は3-Aの一之瀬 碧……お前は?」
「2-Cの青葉 和奏」
一応……先輩だったんだ………
「和奏か。なぁ…しつけえがなんでこんなことしようとしたか……話してくれねぇか?」
断っても断ってもしつこく聞いてくる一之瀬先輩についに私は折れた。
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『オイ青葉ァ!いつまでトイレに引きこもってる気だよーww』
『そーよ!超キモいんだけどーw』
『お前どーせ臭えし水かけてキレーにしてやるよwwなーっ!?』
私は苛められてた
クラスどころか学年が敵。
味方も友達も頼れる人もいない
___今ここにいることが辛かった。
リスカ、アムカ……肩も首も足まで切った。
死ねない……
夜も眠れず、薬に頼る毎日。
何より、死にたかった。
だから屋上から跳んだら死ねると思った
精神は限界だったんだ。
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「……なのにアンタがあそこで止めるから……私はまた生きなきゃいけないじゃん………」