華の涙




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朝霧花魁が身請けされ、

次に高尾花魁が店の顔になった。





私は、どうも高尾花魁は好きじゃない



高尾花魁は、確かに美しいが

嫉妬深くなんとも粘着質な性格だ。



私とはタチが合わないのだ。





そして今日もまた、夜がくれば

鳥籠の中から男共が私達を見る




高尾花魁はというと

煙管を吸って悠々としている




たまに足を見せたりして

嫌味な笑顔をこちらに寄こしてくる




“お前なんかより、
 私の方が美しいだろう?”






そう言われている気がして、

なんだか心が苛立った






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