華の涙





そして男と寝る…




同じように感じたふりをして

男共を喜ばせ、また朝を迎える。





鳥籠、夜、寝床、朝




繰り返しの毎日



吉原なんぞ、こんなものさ。





身を清めに風呂場へ向かおうと

廊下を歩いている時




ゆっくり空を見上げれば

綺麗に輝く月が見えた。





冷たい風が吹く夜空に

輝きを放つ満月。





その月はなんとも美しくて、

私には眩しかった。





そうか…だからこんなに

空が明るいのね……






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