華の涙
だからそんな期待………
ブチ壊してやりたいと思うが本心。
…そんな私の気持ちを知らず、
定吉様は話を止めない。
「お前は、花魁になれる器だ。頭も良いし顔も床芝居も申し分ない。花魁になり、すればお前は…」
「勝手な事を言うな!わっちは、この店を背負う気はありんせん!金も男も地位もいらん!」
苛立ちと悲しみと…
色んな感情が入り混じって声を荒あげる
日々思う、世界の理不尽さに
涙がこみ上げて来るようだった。
「わっちが欲すのは自由じゃ!それ以外はなんにもいらん、わっちの望みは昔からただ一つ…
この鳥籠から出てゆく事でありんす!!」
私らしくもなく、声を荒あげて…
目から大粒の涙を流していた。