華の涙
そうすると高尾花魁と私が
一、二を争う様になった。
亭主もそれはさぞ喜んでいた
松江屋は、たくさんの
花魁達を輩出してきた人気の店
次の看板はお前だと、
前に亭主に言われた。
…なるつもりなんて
これっぽっちもないけれど。
客が増えた事により、
私に贈られる着物やかんざし等が格段に増え
誰よりも煌びやかな格好をし
恋文等は読まずに燃やして捨てた。
そんな時
高尾花魁の間夫だった重蔵が
私の客へとなった。