華の涙





して、重蔵と床を共にし

奴に合わせ相手をする。




気持ち悪い…


それが本音。




だって、重蔵は金こそあるが

老いぼれた卑しい男でしかない。




初めのうちは

よく噛みついていたものだ。




胸に顔を埋める重蔵を見て

吐きたい衝動を抑え、

顔を逸らし口元に手を添えて感じたふり。





来る客、来る客、

みんなに感じたふりをする







“気持ち良い………?”



ふざけるな。







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