華の涙
そう声をかけてみると、
ハッとしたような表情をして
顔を逸らされた
「い、いやはや…如何にも綺麗故に見惚れてしもうた」
「…ふふ。およしになっておくんなんし」
茂孝の連れの者は
若く、美男…
そして有望なやまさんらしい。
男は私にポツリと耳打ちするように呟いた。
「…かのような場所には如何ほどにも来ないのだが…私はいかがも苦手のようだ」
「あら、そねえな事を言っていいんでありんすか?」
「!! …こ、此処のみにての話に」
焦る男に、私は勿論と返す。
……とても気さくで色街は素人な男
話も合い、
このタイプの客は初めて出逢った