華の涙
茂孝は私が気に入ったらしい…
亭主に私にへと贈り物を送ってきたり
暇も持っては客として足を運んできたのだ。
花魁ではない私に
拒否などできなくて…
私は茂孝の行為も受けいれた
手の早い奴だ……
なんて思いながら。
茂孝の好意は、誰から見ても明らかで
しつこいくらいのアプローチに
正直うんざりしていた。
誰かさんと姿が被って仕方ない……
ちらり…と高尾花魁を見やると
高尾花魁は禿や新造達と談笑していた。