華の涙
一之助様は、たまにであったが
私の元へと来てくれて私の馴染みになった。
今日も、いつものように
お酒を一之助様の隣に座って注ぐ
「…何時拝見しても、ぬしは綺麗だな」
お酒を注ぐ私に、一之助様は笑うでもなく、
呟くようにそう言った
「何を仰いんす…嘘をおつきなんし」
「ほらではない!…誠だ」
真剣な瞳で見つめられ
ドキリと高鳴る鼓動
褒められるのなんて、
慣れているはずなんだけどね…
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