華の涙






口付けをして…頬、首筋と、

男の、紫乃より幾分も太い指が彼女の体をなぞる。




かんざしを口に銜え

器用に抜いて、



段々と着物がはだけ、

白くてシミ一つ無い紫乃の素肌が

露わになっていく。





「あ…」




わざと声を洩らすと男が更に欲情する。






………このド下手が。



心の中で、そう呟きながら

男が望むよう、上手に相手をしてやる。





汗で体が濡れていき、


激しくなる行為






感じたふりをして男の行為を受け入れ




火照る体とは裏腹に、

氷のように冷めた心で




果てる。





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