華の涙
一之助様の言葉に私の思考が止まる
「ぬしが嫌でなければ、正式に申請したいと思っておる」
一之助様の表情は真剣で……
「もっと早くに身請けしたかったんだが…私の都合上、言うのが遅れてしもうた」
もっと…早くから………?
「もちろん、ぬしを妾になど致さぬ。私の、妻として迎えたい。…ぬしは受け入れてくれるか…?」
「一…之助様……」
願ってもみなかった
一之助様が、身請けしてくださるなんて
一之助様が、
私を妻にしたいと思って下さってるなんて…