華の涙
少ししてから私の身請けが申請され、
亭主と女将が私の元へ来た
「あんた、どうするんだい?」
「勿論、受けんすよ…?」
相手はもちろん―…一之助様
「一之助様は上級武士でありんす。身請け金も申し分ない位にありんしょう」
私の返事を聞いて、
亭主と女将はにこりと微笑みを見せた
「そうかい」
あの夜…
一之助様に身請けをしたいと言われてから
私はずっとずっと、
彼の迎えを心待ちにしている
早く、早く会いたい……