華の涙
そして、
この物語の主人公である
春は9歳の時に吉原に売られます。
この時、顔や器量が良く、
将来を期待される禿達は引っ込み禿となり、
姉女郎の身の回りのお世話をしながら
知識を付けて行きます。
春は新造の時、朝霧花魁の振袖新造でした。
この話には出ていませんが、春は幼い頃、
朝霧花魁の引っ込み禿でもありました。
そして新造でも、
留袖新造と振袖新造の二つがあります。
振袖新造になった者は
格の高い遊女になる事が約束されます。
そうでない者は留袖新造といいます。
引っ込み禿や振袖新造といったものには
もちろん、容姿も求められ
他に知識や芸も身につけていきます。
花魁は、上座に座り、
客は下座に座りました。
遊郭の中で、花魁は客よりも
地位が上だったという事です。