MagicianS
第1章


外部との接続が全くないようなへんぴな場所にその街はあった。



大きな「暗い森」と呼ばれる、迷路のような森を抜けると視界いっぱいに金色の絨毯が飛び込んでくる。




ここがメリーゼルだ。





豊かな土地に恵まれたメリーゼルは春夏秋冬どの季節でも様々に美しい顔を見せた。


人口はとても少なく、200人程度。


レンガで作られた小さな可愛らしい家があちこちに散らばっている。


長閑な雰囲気に包まれたこの場所は一度も争い等いさかいが起きた事がなく、みながみな心から愛していた。


しかしメリーゼルは、外の人々には恐れられていた。


それは、メリーゼルに住む人々はみな膨大な魔力を持ち、それを容易に操ることが出来るからだ。

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