MagicianS
家に帰るとオンダは、とにかく、驚いていた。


無理もない。


同じ髪色をした小さい子と手を繋いで帰ってきたら。


『マ、マーレ…いつの間に…』


「違うわよ」


『え、どーしたの?』


「『はぐれ者』よ」


『え?こんな小さい子が?』


さっきとまるで変わらない会話の流れで少しおかしくなった。


名前も覚えていないこの子。


男の子女の子どちらにも見える3歳くらいの綺麗な子はオンダを見て、マーレの影に隠れた。


『…嫌われちゃったかな』


「そんなことないわ。さあ、お風呂入ろっか!」


所々に泥がついていて、髪もくしゃくしゃだった。


『マーレ、その子どーするの?』


「とりあえず今日は家に泊まらせようと思ってるわ」


『そっか。じゃあ沢山料理作っとくね!』


「ありがとっ!」





「じゃあお洋服脱ぎましょーか」


マーレが手際よく服を脱がせた。


男の子だった。


「まずは身体洗うよー」


そう言ってマーレはその子に背中を向けさせた…


その時マーレが絶叫しなかったのは奇跡としか言えなかった。


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