帰宅部にお任せを

「そういえば、颯は居なくて大丈夫なの?」

あの状態からして逆に来ない方がいいのかも知れないけど。


「颯のことなら大丈夫」

楓はそう言って立ち止まった。



目の前には生徒会室の扉。

またここに来ることになろうとは、あの時は思っていなかった。



あれ、でもおかしい。

「…ねえ何か中から声が、」

「そうだな。結構でかいぞ。…喧嘩か?」

廉も耳を澄ませてそう言った。


聞こえる。

女の人の声ともう一つ。


…この声は、


「颯は、もう来てるから大丈夫」

楓の付け足し。


この中に、ユマさんと颯。

争っているような声がするし…。


それって―…


まったく、大丈夫じゃないんじゃない?
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