帰宅部にお任せを
「っざけんじゃねぇっ!」
ゴンッ
嫌な金属音が響く…。
颯、まさか…!
そちらに駆け寄ろうしたけど、それを楓に止められた。
「楓!」
「…大丈夫だから」
その瞳には絶対の確信を感じられた。
わたしは心を落ち着かせて、そちらを見た。
バットの先は…、ユマさんのすぐ真横の床にあった。
どれほどの力が掛かったのかわからないけど、床は陥没している。
「…よく聞け」
その恐ろしいほど低い声と、先ほどのバットに彼女は口をぱくぱくとさせて恐怖で言葉を失っているようだ。
「世の中にてめぇと同じような人間なんていくらでもいるんだ。てめぇはそのうちのただ一人にすぎねぇんだよ」
それからバットを再度持ち上げて、わたし達の方に向ける。
「俺を含めてだ。そこにいる男共だってそうなんだ。勉強も運動も完璧な人間だ」
そう。
帰宅部はわたしを除外して容姿から、勉強、スポーツまで何でも出来る集団だ。