帰宅部にお任せを
れっきとした部活動ですから
この学校には、何とも珍しい部活動がある。
その名も、
「帰宅部」――…。
「真希(まき)!」
放課後、わたしを呼ぶお決まりの声。
「わかってる!廉(れん)、ちょっとくらい待ってくれたっていいじゃない」
わたしもいつもの如く、そいつに言葉を返す。
急いで鞄に荷物を入れる。
といっても、殆どは置き勉だけど。
ぽんぽんとそこに詰め込まれていくのは、化粧道具の入ったポーチとかそこら辺。
整理がなされてない机からそれらを探し出すのには、いつもの動作とはいえ少し手間取ったが、何とかして詰め終えたわたしはその待ち人の方へと向かった。
「荷物くらい、ちゃっちゃと入れればいいだろ」
ため息をつき、わたしをずっと待ってくれていたそいつ。
大宮(おおみや) 廉。
「うるさいなっ。色々散乱してるんだからしょうがないじゃん!」
そしてこの逆ギレ少女…、私は広崎(ひろさき) 真希。
華の高校2年生。青春真っ盛り。