帰宅部にお任せを

「で、今日は依頼人来るの?」

聞いては見るけど、楓ときたら一言も返してくれない。無視ですか。


しょうがないのでわたしは、楓のデスクをドンっと叩いてから再度訊いた。

「今日!依頼人は!?」

すると楓はあからさまに迷惑だと言いたげな表情をした。

「うるさいなあ…。今日は来ないよ、依頼人」


うるさいって言うなら最初の時に答えてよ!

沸々とこみ上げる怒りは抑えて(毎回怒っていたらキリがない)、わたしは部室を出て行こうとした。


ガシッ

「うわ!」

はい来た、いつものお決まり。

楓に腕を掴まれて、引き戻される。



「部活がないなら帰ったっていいでしょう!?」

連れ戻された所為で、テンションは急降下。


すると楓も不機嫌な様子で、

「だーめ。別に帰ったって暇でしょ。なら、俺の肩でも揉んでよ」



「誰があんたなんかの肩を揉んでやるか!」
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