帰宅部にお任せを
アホ楓に何を言ったって無駄だし、どうやら私はここに居るしかないみたい。
渋々と自分のデスクに着いた。
「はあ…」
ため息をつきながら、机上に飾ってある指人形でこんなことをやってみる。
【全くアイツのあの態度みました!?】
【えぇ、見ましたわ。なんて自分勝手な奴!】
【鬼っていうんだよ、ああいうのを】
しかし、指人形劇はここで中断されてしまう。
隣から感じる黒いオーラによって。
そういえば、ここは部室であって、
しかもわたしのデスクって…
楓の隣だったりするんだよねぇー…ははは。
「…誰が鬼だって?真希チャン」
いやいや、チャン付けとかすごく意味深なんですけど…!
威圧的なオーラに口を開くことも、動くことすら儘ならない。
こういうのを、蛇に睨まれた蛙って言うんだっけ?
…でも、蛙のままでいられない。今日は勇気を出してぎゃふんと言わせてやる!
わたしは意を決して振り返った。
「あんたが鬼だ!楓の馬鹿!アホ!ナス!」