帰宅部にお任せを
「お前が普段からきちんとしてれば…って、言い合ってる場合じゃない!行くぞ!」
レンはおもむろに携帯をいたかと思えばそう言って、走り出した。
「え、嘘!?ちょっと待ってってばっ…」
わたしも急いでその後を追う。
途中、掛かっている時計に目をやるともう4時45分。
やばい!
あいつに怒られるし、もう『お客さん』が来ているかもしれない。
一気に血の気が引いたわたしは、必死に足を動かした。
「はぁ、…くそ」
「はっ、コホ…」
二人して息を切らす。
わたし達の目の前には一つの扉がある。
「あーあ、真希のせいでまた遅刻…」
「…うるさいっ。開けるよ」
その扉に、手を掛けた。
ギィィィッ
耳につく音を不快に感じながらも、わたし達はその中へと足を踏み入れた。
バタン
少しすると、扉は後ろの方で大きな音をたてて閉じた。