帰宅部にお任せを
扉を背にして立つわたしと廉。
その先には4人の男子がいた。
「廉、おっせえよ!殴り殺してやりてぇくらいだし!」
金髪に、着崩し過ぎている制服。
オマケにカラコンまで入れて、外人気取りでもしてるのでは?
そう思わせる、あからさまな不良は言った。
「まったく、仕事に支障をきたさないで下さいよ」
今度は打って変わって黒髪、黒縁眼鏡。
真面目スタイルなのに、それがいい感じで似合っているインテリ君はパソコンに文書を打ち込みながら言った。
続いては、小柄な男子。
「あ、真希ちゃんと廉だ。やっほー」
二人とは違い、どうやら怒ってはいない様子。
その証拠にひらひらと可愛らしい笑顔で手を振っている。
「あ…えと、やっほー」
わたしは戸惑いながらも手を振り返した。
「何が、『やっほー』だよ」
ふと、背後に感じる黒いオーラと声。
背筋がゾクッとする。
それは隣の廉も同じようで、まずい!とでもいうような表情。
あいつだ。
わたしは、恐る恐る振り返った。