帰宅部にお任せを
「女だからって容赦しねぇぞ」
「ごめんねー、顔に傷は作らないでほしいかなあ?」
そんな冗談を交えながらも、二人の目はイってる。
丸山さんは二人の威圧に押されながら、こう返した。
「どうぞ、ご自由に」
その言葉を聞きフっと笑った颯はまず一発、丸山さんのお腹に拳をおさめた。
一発目から腹って…。
それと同時に隣からしゃくるような声が聞こえた。
そちらに視線を移すと、それはお嬢様で口元を押さえながら嫌いなものを食べたかのような表情をしていた。
「…そ、そんなお腹にっ!」
丸山さんはお腹を押さえたまま、立ち上がる。
すると今度は曽良の蹴りが腕に当たり、彼女はまた膝立ちになった。
「……っ!」
痛みをこらえる表情。
蹴られた腕に力は入っていなく、もう片方の手で押さえている。
痛々しかった。