帰宅部にお任せを
「…じゃあ、やらせてもらおっか?」
曽良はその言葉に素早く切り替えて躊躇なく笑みを浮かべながら手を振りかざした。
打たれる前に瞬間的に目を瞑る丸山さん。
「やめてっ!」
甲高い声が響き渡った……。
颯と曽良はその声を聞き、また眉をしかめる。
「…依頼人のクセしてまた邪魔すんのかよ、お前」
けっと颯は地面に唾を吐いた。
「どいてよ~」
曽良も迷惑そう。
それでもなお、二人に対しての迷惑者…お嬢様は動こうとしなかった。
丸山さんを守るという思いがここまで伝わってくる。
きちんと地に足をつけて、まっすぐ二人を見ていた。
曽良はついに上げていた腕を下げた。
「…ごめんなさい」
お嬢様も防御姿勢を崩した。
そして、頭を下げた。