帰宅部にお任せを
「とも、だち…?」
丸山さんはその言葉をゆっくりと口にした。
初めてその単語を覚えた小さい子のように、もう一度繰り返す。
「ええ、『友達』よ。『主と下僕』の関係は終わりよ、千春!」
お嬢様は微笑み、丸山さんに手を差し伸べた。
手を差し伸べられた丸山さんの頬には一筋、涙が流れる。
その涙を拭って、丸山さんは差し伸べられた手をとった。
「ありがとう、由美!」
「沢山迷惑をかけた挙句、こんな大切なことを教えてくれてありがとう。本当に感謝しているわ」
お嬢様とつられて丸山さんも頭を下げた。
楓が応対してくれると思っていて、ただ微笑んでいたが、その本人は何も言わずにただわたしを見ている。
え?
わたしにどうしろと!?
…確かに今回の主な計画はわたしが中心だったけれど。
他のメンバーの顔を覗くが、皆わたしを見ていた。
ええ!?