帰宅部にお任せを

「依頼!?」

食い入るように手紙に目をやる。


中身は、こうだった。

【帰宅部一同様

私情により、私は顔を出すことが出来ません。
ですが、どうしても復讐をしたい人がいます。
いつか自分が狂って、その人に何か恐ろしいことをしてしまいそうで怖いのです。

報酬はきちんと用意しますからお願いします。
私の依頼を受けて下さい。

樋口(ひぐち) カスミ】


「樋口 カスミ、」

依頼人の名をゆっくりと、指でなぞる。


全く正体が掴めない"お客さん"から届いた手紙。

楓は…、楓はこの依頼を受けるのだろうか?


「受けるよ」

心臓が、跳ねた。

だって、声にも出してないのにわたしの抱いていた疑問を彼が解決したから。


「顔も知らない相手なのにっ…?」

「そうだね」


彼が受けると判断したのだから、この部に来るべきお客さんではあるらしい。


だけど…、


楓は怖くないの?

顔も見せてくれない他人の言うことを聞くって、わたしは怖い。


この依頼、本当にうまくいくのかな―…。
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