帰宅部にお任せを
「ねえ、樋口さんは誰に復讐したいの…っう!」
飛んできたのは、楓お得意のデコピン。
「最後まで読もうよ、阿呆」
「…!どうせ、アホでバカでろくでなしだもん!!」
「よくわかってんじゃん」
「……ムッ」
ムカつくんですけど!
「…原田(はらだ) ユマ」
「は?」
何て言った?腹太鼓が何たらこうたら……
「だから、原田ユマを復讐してほしいんだって」
ああ、腹太鼓じゃなくて原田ユマか。原田ユマ。
って!
「生徒会長じゃん!!」
「そうだね」
生徒会長だからって理由でただ顔と名前だけを憶えているわけじゃない。
だって、彼女はこの存在価値がいかにも不純な帰宅部を認めた人でもある。
にこにこ笑って『好きにやりなさい』って。
あの時の事は今でも印象に残っている。