帰宅部にお任せを
「でも、原田さんって恨まれるような人じゃないと思うけど…」
彼女は勉強も出来る運動も出来る完璧人間。
だけど、明るくてきちんと隅々まで目を配るなど誰からでも好かれる存在だ。
わたしだって、彼女は好きな人間の部類に入る。
「でも、樋口カスミは彼女を恨んでいる」
廉も疑り深そうな表情で顎に親指を当てる。
でも、楓なら依頼者のことはあらかじめ調べてるみたいだし知ってるかも。
「楓は何か知って「さぁね」
その笑みは明らかに"何か"を知ってる。
全てを見越したようなそれ。
「雑用係は余計な詮索はしないで、床掃除でもしてなよ」
楓は棚に指を滑らせて、それをわたしに見せた。
綺麗な指だなあ。
じゃなくて!
楓の指先にはうっすらと埃がついている。
「あんたはどこかの鬼姑ですか!」